コラム

【コラム】Switchにポケモン“VC”は来る?“理想の配信”を本気で考えてみた

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はじめに

全てのポケモントレーナーが、心のどこかで抱き続けている、ささやかで、しかし切実な願い。 それは、少年時代に夢中になった、あのドット絵の冒険を、もう一度、手元のNintendo Switchで体験したい、という願いだ。

Nintendo Switch Onlineに「ゲームボーイ」のライブラリが追加されたあの日、我々の期待は最高潮に達した。しかし、そこに我らが『ポケットモンスター』本編の姿はなかった。その沈黙は、多くのファンの心を少しだけ寂しくさせた。

ビジネス的な戦略、技術的な課題…現実を考えれば、その理由はいくつも挙げられるだろう。 だが、今日だけは、そんな「大人の事情」を忘れよう。 もし、任天堂と株式会社ポケモンが、我々の想像を遥かに超える、最高の形で過去作を届ける準備をしてくれているとしたら?

これは、絶望に対する考察ではない。ファンが夢見る「理想のポケモンVC」、その最高の形を、愛情と希望だけで想像する物語である。

理想① 「ポケモン レガシーコレクション」としての復活

我々が夢見るのは、Nintendo Switch Onlineのライブラリに、ぽつんと追加されるような形ではない。 それは、一つの独立したソフト「ポケモン レガシーコレクション」として、eショップに堂々と並ぶのだ。

このコレクションは、単なる過去作の詰め合わせではない。それは、ポケモンの歴史そのものを体験できる、デジタル博物館のような、愛情のこもったパッケージである。

  • 収録タイトル(理想)
    • 第一世代: 『赤・緑・青・ピカチュウ』
    • 第二世代: 『金・銀・クリスタル』
    • 第三世代: 『ルビー・サファイア・エメラルド』

これら全てのバージョンが、一つのソフトに内包されている。起動画面で、我々はどの時代の、どの冒険に旅立つかを選ぶことができるのだ。

理想② 単なる移植ではない、“神仕様”の数々

この「レガシーコレクション」は、ただの懐古主義的なエミュレータではない。現代の技術と、ファンへの深い理解によって実現される、数々の“神仕様”が搭載されている。

選べる「オリジナルモード」と「快適モード」
「オリジナルモード」は、当時のバグや少し不便な仕様まで、可能な限り忠実に再現した、原理主義者のためのモード。一方で「快適モード」は、レポート(セーブ)の高速化やキーコンフィグなど、現代のプレイヤーがストレスなく遊べるための、細やかな配慮がなされたモードだ。

時空を超えた「通信機能」
ローカル通信はもちろん、オンラインでの対戦・交換に完全対応。さらに、コレクション内のソフト間での通信も可能になる。「赤」で育てたケンタロスを、「金」の世界に送り込み、ハガネールと戦わせる…そんな夢のクロスオーバーが実現する。

安心安全の「ポケモンHOME」連携
もちろん、このコレクションで捕まえたポケモンたちは、専用の転送機能を通じて、最新の「Pokémon HOME」へと連れてくることができる。転送の際には、世界の秩序を守るためのセキュリティも万全だ。

思い出に浸る「デジタルミュージアム」
ゲーム本編だけでなく、当時のパッケージや説明書の高解像度スキャンデータ、公式アートワークのギャラリー、そしてBGMを自由に聴けるサウンドテストモードも完備。我々の思い出を、最高の形で保存してくれる。

30周年という、最高の記念日

では、この夢のコレクションは、一体いつ、我々の前に現れるのだろうか。そこにも、最高のシナリオが存在するはずだ。

ポケットモンスター『赤・緑』が発売されたのは、1996年2月27日。つまり、2026年2月27日は、シリーズにとって30周年という、これ以上ないほど特別な記念日となる。世界中のファンが祝福するその日に、全ての原点である過去作をまとめたコレクションを発表する。これほど美しく、感動的なタイミングがあるだろうか。

【結論】我々は、最高の“再会”を夢見続ける

もちろん、これは全て、一人のファンの壮大な「想像」であり「理想」に過ぎない。 しかし、ファンが夢を見ること、希望を持つことは、誰にも止められない。

我々が夢見るのは、単なる過去作の復活ではない。それは、開発者の愛情と、現代の技術によって磨き上げられた、最高の形での「再会」だ。

彼らの沈黙が、絶望の知らせではなく、この最高のサプライズを準備するための、長い長いタメであると信じたい。 その日が来るまで、我々は何度でも夢を見よう。ワカバタウンの風を、マサラタウンの匂いを、最新のハードで、再び感じる日のことを。

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