あの有名セリフ、実はめちゃくちゃヤバい提案だった

「せかいの はんぶんを おまえに やろう」
——ドラクエ1における竜王のセリフは、今なお多くのゲーマーの記憶に残る名シーンだ。
だが、よく考えてほしい。このセリフ、今で言えばどれほどの意味を持つのだろうか?
実はこれ、現代に置き換えると“ありえないスケールの買収提案”だったのでは?という説を元に、その深すぎるメッセージを掘り下げていく。
現代なら「GAFAから株の半分もらう」レベル
「世界の半分」とは何か。
現代に置き換えると、それは地球上の土地、富、権力、SNSアカウント、全ての“支配権”の半分を意味する。たとえば
……こう考えると、竜王の提案は“もはやビジネスじゃなくて神レベルの取引”だったのだ。
しかも、それを個人(しかも装備もままならない状態の勇者)にオファーするって、どういうセンスなのか。
「世界の半分をやる」=「裏切りを選ぶ自由」でもある
注目すべきは、プレイヤーに「はい」「いいえ」の選択肢があること。
これ、ゲーム史的に見ても非常に斬新だった。
つまり、「ラスボスに寝返る」という“裏切りルート”が形式上は用意されている。
これ、現代で言えば
という、ある種の“倫理テスト”でもある。
つまりドラクエ1は、ゲームで初めて「あなたの信念は買収されるのか?」という問いを投げかけたのだ。
「はい」を選ぶとどうなる?—昭和キッズのトラウマ
実際に「はい」を選ぶと、画面が暗転し、世界が闇に包まれた後にタイトルに戻る——というループ仕様。
「えっ、マジで終わり?」「セーブしてないけど!?」と昭和の子どもたちを震え上がらせた。
この体験、今で言えば
レベルの理不尽さとインパクト。
つまりこの選択肢、「悪魔の契約」のリアリティがちゃんと再現されていたのである。
提案してきた竜王も、実は“理屈の通じるやつ”説
忘れてはいけないのが、竜王はそもそも交渉してきている。
「倒すしかない存在」ではなく、「話せる相手」だったのだ。
これ、現代で言えば
というレベルで、人間味がある。
つまり竜王は、「力で世界を支配する」だけではなく、「共存による支配」も考えていた柔軟な思想家だった(?)という見方もできる。
「半分」を提示された時、人間はどうするのか?
「全部は無理だけど、半分あげるから手を組もう」——この提案、実はめちゃくちゃ現実的である。
歴史的にも
……つまり、「半分あげるから協力して」が最も“人間が屈する提案”なのだ。
そんな最も誘惑的な申し出を、プレイヤーは“ボタンひとつ”で拒否する。
だからこのシーンは、今でも語り継がれる。
【結論】「世界の半分」はただの数字じゃない
ドラクエ1の「世界の半分をやろう」は、ただの“セリフ”じゃない。
それは、ゲーム史における最初の“価値観チェックポイント”であり、プレイヤーが「何を選ぶか」を試される哲学的瞬間だった。
令和の今でも、ふとした瞬間に誰かが使う「世界の半分をやろう」という言葉。
その裏には、「本当にそれでいいのか?」という、竜王からの静かな問いが込められているのかもしれない。