「無料ってどういうこと?」
ポケモン世界における最大の謎のひとつ、それが──「ポケモンセンター、タダ問題」である。
どんなに満身創痍のポケモンも、瀕死寸前の状態でも、深夜だろうが明け方だろうが関係なし。 ポケモンセンターに駆け込めば、ニコニコ笑顔のジョーイさんが一瞬で全回復してくれる。
しかも、一銭も取られない。
タダである。完全無料である。医療費ゼロ円である。
いったい、どういう財源でこれが成り立っているのか──。 現代日本の医療制度と比較しながら、この謎すぎるシステムに真剣に迫ってみたい。
「税金」運営説
もっとも現実的な考察、それが「税金で賄われている」説だ。
ポケモン世界ではトレーナー登録やライセンス制度が存在し、子供でもバッジを集めれば大人顔負けの公的扱いを受けられる。
つまり、トレーナーは半ば公的な存在と見なされており、 その活動を支援するために政府(あるいはポケモンリーグ?)が税金でポケモンセンターを運営しているのだと考えれば辻褄は合う。
……が、待ってほしい。
この世界の経済、そもそも課税制度が見えない。 道端で戦ってお金を奪い合ってる世界で、ちゃんと納税してる人がどれだけいるのか。
いや、むしろブラックマーケットの匂いすら漂うのだが。
「ポケモンリーグ補助金」説
リーグ側が「優秀なトレーナー育成のため」に資金提供している可能性も考えられる。
つまり、ポケモンセンターはただの医療施設ではなく、リーグ主導の育成支援施設。
宿泊・治療・情報提供・交通網── これ全部まとめて「プロトレーナー養成機関」なのでは?
……だとしたら、それこそ現代でいうと「ナショナルトレーニングセンター」。
税金ではなくスポンサーやスポンサー企業(シルフカンパニーなど)が運営費を出している可能性もある。 が、それにしても回復サービスが無限無料というのはどうにも現実離れしている。
「ボランティア+非営利団体」説
「ポケモンを愛する人たちが集まって無償で活動している」説。
ジョーイさんは全員同じ顔なのでクローンなのでは?という説もあるが、それは置いといて……
ポケモンセンターは、ポケモン保護のために設立された非営利団体が運営しているのかもしれない。
現実で言えば、WWFや国際赤十字のような存在。
ただ、この説の弱点は、全世界に同じデザイン・同じシステムで展開されている統一感。 ボランティアでここまで統一された運営をするには、それこそ巨大な国際機関が必要になる。
つまり、もはや「ポケモン国連」レベルである。
「ジョーイさんが実はAI」説
あの笑顔、あの無表情、あの無限対応力──
もしやジョーイさん、人間ではないのでは?
AIやアンドロイドであれば、24時間稼働、無給、ブレなし対応も納得である。
しかも医療機器も「回復マシン」に全依存しており、治療の手順が常に同じ。
これ、現実でいうと「自販機型医療装置」レベル。
つまりポケモンセンターとは、全自動・無人管理の公共端末……?
この説に則れば、人件費ゼロであり、 メンテナンスさえ整えばランニングコストも激安……かもしれない。
だが、その技術力を持ってして、なぜバトルになると通信ラグが発生するのか。 ポケモン世界、技術の方向性が尖りすぎている。
「ポケモンの自己治癒力が異常」説
もっと根本的に考えてみよう。
もしかすると、あの機械は回復してるフリをしてるだけで、実際はポケモン自身が回復しているのでは?
つまり
みたいな。
そもそも炎に包まれても感電しても、氷漬けになっても死なないのがポケモン。
これ、生物としての耐久力がチートなのでは……。
たぶん全部ウソ。でもそれでいい。
税金でもなければ補助金でもない。 ロボットでもなければ自己再生でもない。
──結局、ポケモンセンターがなぜ無料なのか。
その答えは、我々人類には永遠にわからない。
だがそれでも
「いつでも帰ってきてね」
と、あの笑顔で迎えてくれるジョーイさんがいる限り。
我々はこれからも、安心して旅に出ることができるのだ。
ありがとう、ポケモンセンター。
ありがとう、全ての謎。
結論:深く考えたら負け。回復できりゃそれでいい。