はじめに
ポケモン初代(赤・緑・青・ピカチュウ版)をプレイした人なら誰しもが通った道——それが伝説ポケモン捕獲イベントである。
サンダー、フリーザー、ファイヤー、そしてラスボス的存在のミュウツー。
11歳の主人公が、これらの伝説ポケモンを普通にモンスターボールで捕まえていく光景は、当時の子どもたちにとっては「まあそういうものか」という感覚だっただろう。
でも、ちょっと大人になって改めて考えると……
「え?あれって本当に捕まえて良かったの?」
という、なんとも不思議な気分になってくる。
伝説ポケモンたちの「生息環境」
まず、初代の伝説ポケモンたちの居場所を振り返ってみよう。
- サンダー → 無人発電所の奥
- フリーザー → 双子島の奥
- ファイヤー → チャンピオンロード内
- ミュウツー → ハナダの洞窟
一応、どの場所も人があまり足を踏み入れない環境の奥地ではある。
とはいえ「完全に立ち入り禁止の保護区」という感じではなく、普通に入れてしまうのがこの世界の面白さ。
つまり、「伝説だから危険!近寄るな!」というよりは
「自己責任でどうぞ」という自主性重視の世界観なのかもしれない。
捕獲は違法ではない?カントー地方の不思議な文化
現代感覚だと、絶滅危惧種の保護とか、生態系の維持とか、いろいろ法律がありそうだが、カントー地方にはそういった法律が描写されたことは一度もない。
むしろ
この世界観から見るに、捕まえるのが悪いことという文化そのものが存在していない可能性が高い。
伝説ポケモンであろうと、モンスターボールに収められるなら、それはもう「あなたのパートナー」ということなのだろう。
実力主義の世界観
さらに言えば、ポケモン世界はかなりの実力主義社会でもある。
だからこそ、11歳の主人公でもサンダーやミュウツーをゲットできるし、それを誰も責めたりしないのだ。
それでも特別感はある
とはいえ、ゲームの中でも伝説ポケモンは一匹ずつしか出現しないし、シナリオ上も「ここに伝説がいる」という演出はされている。
つまり、捕獲は自由だけど、「簡単には出会えない希少な存在」としての位置付けは守られている。
あくまで、捕獲はOK。でも、そのチャンス自体が非常に貴重。
このあたり、ポケモンの世界観の絶妙なさじ加減を感じる部分でもある。
ミュウツーは…やっぱり特別枠
実は初代で一番倫理的に難しいのはミュウツーかもしれない。
人間の手によって生み出されたポケモンであり、サファリゾーンのラッキーやカイロスとは事情がだいぶ違う。
でも、そんなミュウツーですら、主人公は普通にゲットし、リーグ挑戦の一員にしてしまう。
この懐の深さ(あるいは緩さ)が、初代ポケモン世界の独特なところでもあるだろう。
【結論】ポケモン世界は「捕まえたもの勝ち」の文化
現実の動物保護の感覚とは違い、「トレーナーの腕があればどんなポケモンも捕まえていい」という文化。
これが初代ポケモン世界の最大の特徴なのかもしれない。
ある意味とても夢があり、同時にかなりぶっ飛んだ価値観。
でも、だからこそポケモンは世界中で今も愛されているのだろう。